求められる配光とは
LED照明器具各社の配光曲線を参照すると、基本的にLEDを点光源とみなした際に出される配光に近く、およそ、その座標の原点にLEDを置いたことによる、配光曲線を持っています。図1にLED光源の測定方法の概略図、図2に配光測定曲線の例を示します。
照らしたいのはどの範囲でしょうか?直下の狭い範囲を明るく照らす応用では、このような配光曲線がふさわしく、範囲を絞った照明が可能です。しかし、広い範囲を照らす応用では、最大光度は狭い範囲にしか有効ではないため、十分な範囲を明るくするためには、照明の届く距離を短く想定する、複数の光源を使う、明るいLEDに変更するなど最大光度を上げる必要があります。
単に最大光度が必要な明るさを超えているからだけで、照明を選択するだけでなく、配光曲線と想定する、照らす範囲も検討に加えて照明器具を選ぶことが大切です。ここの配光曲線の例では、広い範囲を照らす応用の場合には、赤線の様に範囲の広い辺りの短い距離で使うか、あるいは最大光度の大きいランプを選んでより明るい照明の設計をする必要があります。
図2の例では、必要な最低照度を仮定して、それが得られる範囲例を赤線で示しました。この照明範囲を広げるためには、より明るい光源を使う必要があります。しかし、より明るいLEDランプは、相対的に省エネ性に劣りますし、直下をさらに明るくすることで照射面反射のグレアが生じますので、注意が必要がです。求められる理想の配光曲線は、必要な範囲をできるだけ均一に照らし、かつ、反射グレアの影響をなくすために、直下と求められる範囲内の明るさにあまり差がないものが望ましいことになります。そのような配光曲線がもてるならば、省エネにも優れた快適な照明環境を持つことができます。