工場での照明要件
■工場の照明は、生産性の向上を図るために、明るく作業しやすい照明が必要です。また、単に明るいだけでなく、快適な照明が求められます。快適な照明は生産性の向上につながるだけでなく、安全性につながることも多いです。見にくい照明、不快な照明は集中力を欠き、結果として重大事故につながる危険性もあります。
■照度:
工場の目的には、細かい作業を行ったり区別したりするために十分な照度が求められます。また、精密な作業に求められる明るさと、簡単な作業に求められる明るさは異なるため、フロア一律や各部屋共通の明るさではなく、細かく調整できる照明が求められます。照明器具に対しては単に明るくすれば良いだけでなく、省エネ性や効率も同時に求められます。また、できれば、落ち着いて集中しやすい光の環境がふさわしいです。
■グレアのない照明:
工場作業者に取って不快な照明は、安全性に直結します。中でもグレアは不快さを生み、快適な照明環境のためにはグレアの少ない照明(UGR<19)が望ましいです。JISZ9125では、例えば組み立て作業細かい作業(電話機など)19<=UGR<22, 精密作業(測定器など)は16<=UGR<19 を照明設計基準にあげています。
■演色性:
工場で細かい作業を行うに際して、微妙な色の違いを識別して処理を求められることがあります。区別が出来ても作業性が悪いことにつながります。そのため、演色CRI(Ra) が80以上ある照明を選ぶ必要があります。
また、工場の作業内容によっては、(印刷や染色関係など)Ra90以上が必要な場合も多く、その要求に耐える照明も選択できることが望ましいです。